会社設立による節税メリット!節税効果を得る6つの方法とは

会社設立による節税メリット!節税効果を得る6つの方法とは

事業が軌道に乗り、会社設立を検討している個人事業主は多くいるでしょう。個人事業主として事業を行っている方が会社設立をして、事業を引き継ぐことは「法人化」とも言います。

会社設立(法人化)には、個人事業主として事業を行っていたときに比べて、税金面においてさまざまなメリットがあります。しかし節税効果を得るためには、税関係の知識を持っておかなければなりません。

そこで今回は、会社設立による節税メリットを徹底的に解説します。節税効果の出るタイミングや税制上のメリット・デメリット、さらにおすすめの税理士も紹介するため、起業したての経営者や会社設立を少しでも検討している方は、ぜひ参考にしてください。

 

1.会社設立の節税効果が出るタイミングは?

個人事業主としてこれまで事業を行っていた方が、会社設立・法人化をすることにより、節税効果が生まれます。節税効果が期待できる会社設立の最もおすすめなタイミングは、「収入が740万円・課税所得が330万円を超えたあたり」です。

そもそも、会社設立により節税効果が生まれる理由には、個人事業主が支払う所得税率と法人が支払う法人税率の差が大きく関係します。それぞれの一部税率は、下記の通りです。

所得税率(平成31年4月1日以降)
195万円以上330万円未満10%
330万円以上695万円未満20%
695万円以上900万円未満23%
900万円以上1,800万円未満33%
4,000万円以上45%
法人税率(平成31年4月1日以降)
資本金1億円以下の普通法人(中小法人)
年間800万円以下の部分適用除外事業者ではない法人15%
年間800万円以下の部分適用除外事業者19%
年間800万円超の部分、中小法人以外
23.2%

上記を見ると、所得税率は最大で45%となるものの、法人税率は同様の売上・収入を得ても約23%となります。収入740万円・課税所得330万円を超えたあたりで会社設立をすれば、所得税+住民税に比べて法人税の負担が少なくなるため、将来的にも安定した売上を得られる可能性があるなら、このタイミングでの法人化がおすすめと言えるでしょう。

 

2.会社設立による「6つの節税対策」

会社設立によって節税効果を得るための方法には、いくつか存在します。下記は、特に代表的な6つの節税対策です。

  • 役員報酬として収入を得る
  • 家族に給与を支払う
  • 役員に退職金を支払う
  • 欠損金の繰越控除を受ける
  • 消費税の課税免除を受ける
  • 法人生命保険を活用する

ここからは、各節税対策についてより詳しく解説します。

 

2-1.役員報酬として収入を得る

会社設立後、社長である自身の収入は「役員報酬」として得る方が節税対策となります。自身に支払うお金であっても役員報酬は売上・収入ではなく、会社から出ていくお金、いわゆる必要経費として計上することが可能です。

支払われた役員報酬は税法上、給与所得としてみなされ、青色申告特別控除ではなく給与所得控除が適用されます。個人の所得税額は発生するものの、控除額の分だけ会社の全体所得を減らすことができ、税負担を軽減させることにつながります。

 

2-2.家族に給与を支払う

家族や親族の誰かを役員として業務に従事させ、その業務に対する報酬を役員報酬とした場合でも、必要経費として計上することができ税金を抑えられます。

家族に役員報酬として給料を支払う場合にも、給与所得控除は当然適用されます。自身の収入を役員報酬としたうえで家族にも役員報酬を支払うことで、さらなる節税効果を得られるでしょう。

なお、役員報酬を支払う家族がその他に収入があれば、所得税を低く抑えられないケースがある点に注意が必要です。

 

2-3.役員に退職金を支払う

会社設立をすれば、5年以上勤務した役員に対して退職金を支払った場合、損金計上が認められるようになります。

退職金の所得税は、退職金の支給額から退職所得控除を差し引きいた金額のさらに半分に対して課税されます。他所得との分離課税となるため、税額が非常に少額となりやすい点が特徴です。

 

2-4.欠損金の繰越控除を受ける

収入より経費の額が大きくなった状態のことを、赤字と言います。事業を行うにあたり、赤字となる可能性は十分にあるでしょう。そして赤字となっている額のことを、欠損金と言います。この欠損金は、青色申告の制度を利用すれば翌年以降に繰り越し、翌年以降の事業所得と相殺することが可能です。

個人事業主の場合、この繰越控除可能期間は3年間と定められていることに対して、会社設立をしている場合は9年間と定められています。このように、会社設立をすれば欠損金の繰越控除による節税を長い期間で行うことが可能です。

 

2-5.消費税の課税免除を受ける

個人事業主の場合でも、年間の課税売上高が1,000万円を超えたときは「課税事業者」として、2年後の確定申告で消費税を納める必要があります。しかし、課税売上高が1,000万円を超えたタイミングで会社設立・法人化することで、1年間または2年間の消費税課税免除を受けることが可能です。

さらに、会社設立後半年の売上額または給与額の支払総額が1,000万円を超えるなど、事業規模が急速に拡大しない限りは、その後2年間(合計最大4年間)にわたり消費税の課税免除を受けられます。

 

2-6.法人生命保険を活用する

個人事業主が加入できる生命保険は、基本的に個人を対象とした商品がほとんどです。個人事業主が加入する個人向け生命保険は必要経費として認められず、経費計上することができません。

しかし、会社設立をしている場合は、生命保険の商品によって支払う保険料の全額または半額を経費として計上することが可能です。なお、解約時・満期時の課税についても保険商品によって異なるため注意してください。

 

3.会社設立による税制上のメリット・デメリット

会社設立による税制上のメリットは、所得税だけでなく相続税にも生まれます。

個人事業主の場合、ビジネス上の所有物・資産などの相続はすべて個別です。分散して相続することとなるため、相続にあたり重要な資産を処分しなければならないというケースも考えられるでしょう。しかし会社設立をしていると、役員や従業員などの推定相続人に資産を分配させることができ、将来的な相続税の納税資金の確保も可能です。

また、万が一個人事業主が死亡してしまった場合はビジネスの継続が困難となり、従業員がいた場合は従業員の生活も脅かされてしまいます。一方で法人であれば、推定相続人が株式の過半数を相続することで、比較的容易にビジネスを継続させることが可能です。

しかし、会社設立はメリットだけではありません。法人の場合、赤字であっても最低7万円の均等割税額が発生します。従業員数にかかわらず、社会保険・健康保険・厚生年金保険の加入も原則必須となるため、その分費用もかかります。さらに、個人事業主は接待交際費を損金として全額算入できる一方で、法人は年間800万円を超えた接待交際費を損金にすることができません。

このように、会社設立にはデメリットもいくつか存在します。メリットばかりに着目せず、デメリットを踏まえたうえで法人化を検討しましょう。

 

4.会社設立で節税する際は税理士に相談を!

会社設立による節税メリットはいくつか存在しますが、税関係の知識がなければ節税効果をきちんと得ることは困難です。会社設立や節税について一つでも疑問点がある場合は、信頼できる税理士に相談することをおすすめします。

木村伸太郎公認会計士・税理士事務所は、主に八王子市・多摩地域での会社設立をサポートする会計士・税理士事務所です。会社設立から税務顧問・経理代行までの担当実績も豊富で、特に会社設立と創業融資において強みを持っています。

会社設立当初は、安定経営に向けた基盤づくりにも忙しい時期です。「起業したての大切な時期は、安定経営に向けた基盤づくりに集中したい」という方は、ぜひ会社設立の手数料が無料の木村伸太郎公認会計士・税理士事務所にご相談ください。

 

まとめ

ここまで、節税効果が出る会社設立の適切なタイミング・6つの節税対策・会社設立による税制上のメリットとデメリットを詳しく解説しました。

個人事業主として事業が軌道に乗り始めたタイミングで会社設立・法人化を行うことには、主に節税を中心にさまざまなメリットがあります。しかしその分デメリットやリスクも発生するため、税関係の知識を持ったうえで会社設立を行うことが重要です。

節税効果をきちんと得るための会社設立には、適切なタイミングがあります。「なるべく早く会社設立がしたい」「設立直後は、なるべく安定経営に向けた基盤づくりに集中したい」という方は、ぜひ木村伸太郎公認会計士・税理士事務所へ一度相談してみてはいかがでしょうか。