法人税の申告が間に合わない…そんな時の対応方法

法人税・地方税の申告がどうしても間に合わない…。会社設立して1回目の決算だったりすると、どうしても経理作業が後回しになり、申告が間に合わなくなることがあります。そんな時はこうします!

  • ステップ1
    まずは冷静に期限内に提出すべきものが何かを確認!
    期限内に提出しなければならないのはいわゆる申告書です。添付書類は期限後でもペナルティはありません。
    添付書類については、期限に間に合わないときは後に回しましょう。
  • ステップ2
    期限内に提出すべきものから優先して作成!
    次に挙げる書類の作成だけに気持ちを集中してなんとか完成させて期限内に提出しましょう。
    ・法人税の申告書(別表と名のつくもの、適用額明細書)
    ・道府県民税、事業税の申告書(号様式と名のつくもの)
    ・市民税の申告書(号様式と名のつくもの)
    上記だけを窓口で提出すると書類が足りないと言われるかもしれませんが、後日提出することを伝え申告書だけを受領してもらいましょう。
  • ステップ3
    添付書類の作成!
    次に挙げる添付書類を作成します。
    ・決算書(貸借対照表・損益計算書・株主資本等変動計算書・注記表)
    ・勘定科目内訳書
    ・法人事業概況説明書
    期限内に提出すべきものの作成が終わってから作成するようにします。申告書さえ提出されていれば、期限後に提出してもペナルティはありません。申告書だけ先に提出している場合は、提出する際に「㈱○○の第○期法人税申告書の添付書類」であることがわかるようにメモなどを貼ります。※郵送の場合は送付書を添えるなど

期限内に申告しない場合はどんなペナルティが待っているか?

期限内に申告しない場合のペナルティは以下の3つです。

  • 無申告加算税が課せられる
  • 延滞税が課せられる
  • 2期連続期限内申告を怠ると青色申告が取り消される

ここで気になるのは、無申告加算税・延滞税の具体的な金額だと思いますが、無申告加算税・延滞税は、納付すべき税額に対して一定の割合を乗じた金額が課されます。

無申告加算税・延滞税の例

○赤字でもともとの税額がゼロの場合
加算税・延滞税が課されません
※赤字であっても地方税の均等割は発生しますので、延滞税がかかることになりますが、金額が大きくなく、すぐに納付すれば1,000円未満で不徴収になる可能性が高いでしょう。

○税額が少ない場合
加算税は5,000円(事業税は1,000円)未満不徴収、延滞税も1,000円未満不徴収で、両者とも課されないケースも考えられます。

○税額が多い場合
納付すべき税額に対して5%の無申告加算税が課されます。さらに、下記の算式で計算される延滞税が課されます。

延滞税 = 納付すべき税額 × 延滞税率 × 未納の間の日数 ÷ 365

延滞税率は下記のとおり(平成30年1月1日〜平成30年12月31日の期間の場合)
①納付期限(期限後申告提出日)までの期間と納付期限の翌日から2ヶ月(※)間:2.6%
②①より後の期間:8.9%

※地方税で課される延滞金の場合は1ヶ月
例) 申告期限(H30.3.31)の6ヶ月後申告書を提出して1,000,000円をその日に納めたケース
1,000,000 × 2.6% × 183 ÷ 365 = 13,000円(100円未満切り捨て)

一旦冷静になり、間に合わない場合どの程度の不利益を被るのかを考えてみると、それほど焦らなくてもよかったということもあるかもしれません。ただし、2期連続で間に合わないと青色申告が取り消されてしまうので、次年度は必ず間に合うように注意が必要です。

どうしても自力で間に合わないときは、あなたの武器として、専門家への依頼を視野にいれておくことをおすすめします。期限の迫った、または、期限を過ぎてしまった決算・申告へのご対応可能です。お気軽にご連絡ください。

法人税の申告に関しまして詳しく知りたい方、また、疑問等がございましたら、相談を随時受け付けております。相模原・八王子・多摩地域の税理士に是非一度ご連絡ください。